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ゴムタイヤノウハウ

ゴムタイヤとスポンジタイヤ

全日本選手権や世界選手権がほぼスポンジタイヤのみで戦われていることもあり、GPツーリングの行き着くところは「スポンジタイヤ」と思われがちですし、絶対的な速さを求めるのであればスポンジタイヤが一枚上手となります。一方、ゴムタイヤにはスポンジタイヤとは全く違った独自のおもしろさがあります。GPツーリングは「究極の実車のスモールサイジング」と言われることもありますが、実車と同じ「ゴム」をタイヤに履かせることは、スポンジタイヤに比べ、より実車のセッティングを行っていることに近いものとなります。走行についても、ブレーキを上手に使わなければ、要所要所で減速できず、なかなかタイムアップを図ることができません。京商カップはゴムタイヤ限定で行われていますが、一般人が、コントローラブルな他車とのかけひきを楽しめるのもそこに一因があります。

ゴムタイヤの魅力とは

ゴムタイヤは一般的にはスポンジタイヤに比べてグリップが落ちると言われています。実際、コーナーでは適度な減速を行わないと曲がりきれませんし、ヘアピンなどでもフルブレーキが必要となります。しかし、フロントワンウェイでフルブレーキを行った場合、極度のオーバーステアでグリップを失うのに比較して、フロントデフだと4輪全輪にブレーキが効くことより、いわゆるピッチングというフロントが沈み込む動き(ノーズダイブ現象)とロールという現象をおこします。車はアウトに膨らもうとする力と、前に進もうとする力が働いていますが、ブレーキを行うことにより、前に進む力はピッチング(ノーズダイブ)で押さえられ、外に膨らむ力はロールという動きが生じます。 ゴムタイヤの醍醐味は荷重移動とグリップの使い方で、ゴムタイヤは荷重を乗せれば乗せるほどグリップは上がりますが、荷重の大きさに比例してはグリップは上がりません。なので、荷重の不均一が有ると4輪合計のグリップは下がる理屈となります。しかし、一方でアウトサイドの2輪に大きく荷重を乗せると、かえって曲がることもありますし、ポイントポイントで使い分けが重要です。 更に重要なのはゴムタイヤの方が一般的にバトル時にラインを読みやすいことで、スポンジタイヤは車をインに向けてアクセルを入れれば、多少強引でも、インに車は寄っていきますが、ゴムタイヤでは無理が生じます。これをやるとかえってグリップが落ち、車は外にはらんでしまいます。そのため、ゴムタイヤは相手の車の動きが読みやすいのです。一旦アンダーを出してしまったら、そこからインに切れ込んでくることはほとんどありません。 これがスポンジタイヤだと多少強引でも、インを締めてくることも可能なので、コーナーのインを突いたからと言ってあっさり抜けるとは限りません。

ゴムタイヤを選択する

スポンジタイヤが硬度で区別されているのと同じく、ゴムタイヤも硬度で区別されます。SOREX・京商・HPIなどでは21R~40Rと表示されるゴムタイヤが2本組もしくは、4本組で売られています。スポンジタイヤと違い、前後の区別はありません。タミヤはタイプAが冬、タイプBが夏用ですが、全体的に適正温度域が広く、オールラウンドに使えるように設定されているようです。おおまかには、21~27は路面温度が低い冬用、28R~33Rが春、秋、35R~40Rが路面温度が高い夏用と理解すればいいと思います。どのメーカーを選択するかですが、メーカーごとにオイル路面に強いとか、ほこりが浮いた路面でも強いとか特性があるみたいですが、サーキットの常連が使っているゴムタイヤを参考にするのが近道です。 ここまで書いたのは24mm幅であるミディアムナローを中心に書いていますが、26mm幅のナロータイヤというものも存在します。GPカーの場合はほとんどの場合が24mm幅のミディアムナローが使用されています。

ホイルを選択する

ホイルも24mm(ミディアムナロー)と26mm(ナロー)が存在します。また、オフセットがどうこう書いてあるホイルもありますが、オフセット0を選択します。タミヤTG10Mk.1等の一部の車種で、GPボディーのサイズに合わせるためにホイルを外側に出すことで幅を広くしている車種があり、その場合は、オフセット2mmというのを選択します。 ホイルは大きく分けて、ナイロンで整形されているタイプとプラスチックで整形されているタイプがあります。ナイロンは変形しやすいものの、破損する危険は少なく、ディッシュホイールを含むプラスチックタイプは、変形しにくいものの、破損する危険があります。EPでは変形しづらいプラスチックのホイールタイプが好まれる傾向にありますが、GPではナイロンタイプを選択するべきです。 (京商と無限等から8個入りが発売されていますので、これを選択するのが無難です。) タイヤと違い、ホイルは26mm幅のホイルでも構わないという部分があります。ただし、タイヤが若干リムに引っ張られる形になるので、微妙にタイヤのプロファイル(形状)が異なってきます。これをうまく使えば、微妙にモールドインナーとタイヤの隙間を変えることが出来ます。(実際、無限のホイルは26mm幅です。)

インナーを選択する

スポンジタイヤで走っている人が一番分かりづらいのがインナーです。大きく分けると、スポンジインナーとモールドインナーに分かれます。まずはスポンジインナーで走ることをお勧めします。スポンジインナーは路面を選ばず、基本的に大きく外すことはありません。一方モールドインナーですが、一般的には細粒アスファルトが敷いてあるような、細かいギャップがない路面に適します。モールドインナーは、各社より多種発売されており、それぞれ厚みと堅さが違います。 ラジ助は京商のレーシングモールドインナーのソフトを使用していますが、いつも走るサーキットがフラットな細粒アスファルトなので、マッチしているようです。HPIなどからは厚めのものが売られています。一般的にモールドインナーは、路面適正にマッチすると、スポンジよりもグリップするようです。多少ギャップのあるパーキングなどでは、スポンジインナーを使った方が無難かもしれません。

ホイル比較
↑ 左が京商エアロ24、右が京商6本スポーク、リブが少し6本スポークの方が高いので、タイヤのプロファイルを変えることができます。

タイヤを組む

タイヤの接着ですが、まず、瞬間接着剤(+硬化促進剤)を用意します。(硬化促進剤はなくても固着はします)EPよりもタイヤにかかる負担が大きく、強固に接着しておかないと、レース中に剥がれるなどの不運に見舞われます。また瞬間接着剤も市販のもので十分ですが、模型店で売っている「低粘度」の瞬間接着剤を利用するとタイヤとホイルの隙間に行き渡りやすいので、これを使った方が無難です。

より詳しくいいますと、瞬間接着剤は「生もの」なので、なるべく新しいものを使うべきなのです。よく工具箱に入れっぱなしの瞬間接着剤を使っている方がいますが、ちょっと問題が生じる場合があります。瞬間接着剤は接着しますが、厳密には、表面に吸着されている水分と反応して接着するものなので、水分を含んでしまうと劣化してしまいます。樹脂ケースの瞬間接着剤は、樹脂の分子構造の隙間から水分子が進入し、知らぬ間に劣化してしまうのです。冷蔵庫に入れっぱなしの瞬間を出してきたらいつの間にか、どろっとしていること有りませんか?これは冷やされて粘度があがっているだけではなく、水分を吸ってしまって劣化している証拠なのです。それゆえ、金属ケースの瞬間接着剤が一番と思います。密封されていて、水分の進入も有りません。ライドもしくはタミヤの小分けで売っている奴はお奨めです。(ちと高めなのが難点ですが・・・) ※硬化促進剤は必須ではありません。これがなくとも十分に固着は可能です。

まずは下準備ですが。まずタイヤを石鹸、洗剤などで洗うか、アルコールスプレーで油分を除去します。洗った後は、布で水分をふき取ります。次はホイルです。ホイルはいわゆる「バリ」がありますので、これをニッパーで切り落とします。次はインナーです。スポンジインナーを使用する場合は、ホイルと接着する内側を1~2mm程度ななめにカットしておきます。これをすることでタイヤ内でインナーがホイルに馴染み、真円が出やすくなります。

タイヤ処理
↑ ママレモンで洗います(極薄くでいいです)※この時は大量だったのでバケツを使っています。

タイヤとインナーとホイル。これを接着する前に、一通り組みます。注意するのはホイルとタイヤの隙間です。接着する前から隙間が開いていると、接着剤を流しても固着しません。時間はかかりますが、タイヤをホイルになじませるよう手で整形しながら隙間をなくしてゆきます。 タイヤとホイルの隙間がなくなったら、瞬間接着剤を流し込みます。専用のノズルはつけてもつけなくてもいいと思います。手でタイヤを少しだけ引っぱり、隙間を開けてそこに流します。ここで注意すべきなのは、まず上下左右に4点に先に接着剤を流し、その後他の隙間に接着剤を流すことです。最初に固着させる部分が偏ると、必ず隙間が生じてしまいます。ホイルとタイヤの接点にうっすらと接着剤が円を描くような状態が好ましいと言われています。

これを、内外4輪とも行い終了です。

もしこのやり方で接着が剥がれるようなら、下記の点を試すと良いでしょう。

  1. まず新品のタイヤ接着用瞬間接着剤を使う。
  2. 接着面を#320~400番くらいのサンドペーパーでつや消しになるまで磨く。
ホイル処理

↑ 紙やすりではなく、鉄のヤスリでもOKです。

デフのセッティング

まずは、前のワンウェイ部をデフに交換します。デフに封入するオイルですが、堅い方が走りが安定します。極端に堅くすると、スプールや粘土を詰めるようなリジットになりますが、通常はシリコンオイルなら50000番~100000番を使用します。ただあまり堅いとどうしてもアンダーステアが出ますので、テクニカルコーナー主体のコースであれば30000番~10000番という選択もありえます。さしあたって、50000番を選択しておけば大きく外すことはないでしょう。シリコンオイルの他にデフグリスというものもあります。番手の考え方は基本的に共通です。

リヤのデフですが、5000番~3000番を使用します。フロントのデフの堅さを強調する意味でも、リヤには柔らかめを入れると車が安定します。

流行のスプールデフ・粘度デフですが、これは積極的にアクセルを入れ、フロント外側タイヤを強制的に駆動すると、フロントをインに引っ張り込んでぐいぐい曲がると言う話です。(文書での説明では難しいのですが、ゴムタイヤは、路面との相対的な滑り速度と方向でグリップが変わります。)

リヤアッパーアームの角度

コーナーを曲がる際に、タイヤが上下しますが、通常タイヤが上に押し上げられると、キャンバー角が変化して、ネガティブキャンバーになります。この変化量をアッパーアーム内外の上下位置で調整できます。スポンジタイヤの場合、この変化量を多めにとり、内側だけが減らないようにする傾向にありますが、ゴムタイヤの場合は、それほどキャンバー変化量をつけなくてもいいようです。というのも、ゴムタイヤの場合、タイヤの外側 (ショルダー)で路面を引っかけるようにしてグリップさせる場合もあり、その場合ボトムダウン時にネガティブキャンバーになると逆にグリップしない場合もあるからです。キット標準の位置で走らせてみて、外側が減るようなら変化量を多めにして、外側の減りがそれほどでもないなら、キャンバー変化量を少な目に調整してみます。(ただ、この部分はスポンジタイヤ仕様そのままでも、走行には支障ありませんので、ご安心を。)

スポンジタイヤですが、良くテーパー形状のタイヤを見かけませんか?外側が大きく、内側が小さいテーパーが付いているタイヤを転がすところを想像して下さい。当然タイヤは小さい方に曲がって転がりますよね。これがテーパーを付ける理由です。外側タイヤに積極的に荷重を乗せて、パワーを入れて外側タイヤを駆動すれば、パワーを入れるほど曲がってくれるわけですね。スポンジタイヤは走行中にタイヤがどんどん減っていきますから、予めネガティブキャンバーが付くようなアライメントを取るわけです。 スポンジタイヤ仕様の車は、アッパーアームに上向きについていることで、ロール時にネガティブキャンバーが付け、ダンパーを寝かせることで、ロールすればするほどロールが促進するように設計されているものと思われます。

リバウンドストローク&車高

最初はキット標準のセッティングで走ってみます。スタビも外します。あまり極端なセッティングは、まともに走らなくなる可能性がありますので、まずまともに走ることを確認してから、リバウンドストロークを多めにして、車をロールする方向にしてみたり、スタビをつけて、ロールを規制してみたり調整します。このあたりは、ゴムタイヤの難しいところで、つぼを外すとまともに走らなくなる可能性もあるため、ある程度試行錯誤しながら、自分の好みのセッティングを探すこととなります。

ゴムタイヤは荷重に敏感に反応するので、有る程度「動く足」にする必要があります。特にリヤタイヤのリバウンドは、出来るだけ付けた方が良いでしょう。

前後ギヤ比

スポンジタイヤは前後の直径が違うため、前後の駆動比率を均一にするために、プーリーで前側の回転比率を高めています。そのままゴムタイヤにすると、前輪の回転が後輪よりも多くなるため、不均衡が生じます。よって、プーリーで前側の回転比率を後輪と同一にする必要があります。ただし、回転比率が前後で違っても、それほど気にするほどの違いは出ないと思います。

その他

車重のあるGPカーでは、グリップ剤は必須ではありません。走っているとタイヤも暖まるため、タイヤウォーマーも必須ではありません。タイヤのライフは、適正な番手を使っていれば、レース主体なら0.5L~1L程度、自由に走って遊ぶなら2L前後は大丈夫です。タイヤ1セットはおよそ2,500円~3,000円程度となります。走り方は、スポンジに比較すると、かなりの頻度でブレーキを使用する必要がありますが、スポンジタイヤをワンウェイで走っていたのであれば、デフになれるのはそれほど時間はかからないと思います。 2004GP世界戦でも京商の伊藤選手がフロントデフで走ったそうですが、ゴムタイヤはタイヤのトラクションが抜けづらいので、慣れてくれば、マシンが制御できずフェンスに直撃するということはあまりありません。相対的なスピードはスポンジにはかなわないものの、適度にロールするGPカーは、まさにF1やJGTCをスモールサイジングした、また違ったGPカーの楽しみを発見させてくれるはずです。


2005.3.27 技術的アドバイスについては、りとるてっくitaサーキットの多くの方にご協力をいただいております