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V-oneSⅢインプレッション

~組立から実走までのワンポイント~

S2からS3へ

入門用の代名詞であったV-oneSシリーズも3作目となり、今回は「エントリーユーザーから上級者まで満足できる走り」を目指している。V-oneS・V-oneSⅡで搭載されていたGS15Rエンジンから、スライドキャブに小径リコイルを装着したGXR15エンジンに代替わりし、V-oneシリーズの特徴であるナローなシャシーが、幅広のワイドシャシーに変更。

足回りは前後ともほぼV-oneRRRと同じ。リコイルエンジンと受信機用単三電池を載せるためにアッパーデッキがRRRから大きく変更されている。足回りはV-oneRRRとほぼ同じで、メカ類の搭載方法が変わることと、リコイルエンジンがキット標準となることがV-oneRRRとの大きな違いである。ということで、キット標準でスプールデフが組み込まれ、タッチスターターも搭載可能。単3電池ボックスも収納できるなど、GP初心者にも取り組みやすいマシンとなっている。

V-oneSは京商のエントリーモデルに位置づけられているが、実は単なる入門マシンではない。(京商にはFAZERという入門マシンもある)V-oneS3に搭載されるGXR15エンジンは、普通に回せばOSなどのレーシングエンジンより一段落ちるが、本気で回せば、上位エンジンに追随できるだけの実力を持ったエンジンである。ただし、本気で回そうと思ったら本来はエンジンは載せ替えるべきではある。このエンジンはS3というマシンの素性に最も適した出力特性を持っているエンジンといえる。以前の京商カップでは、30分レースでレーシングエンジンを使用するRクラス(12クラスエンジン搭載)とSクラス(GS15R・GXR15)の周回数は、レイアウトが小さいということもあるが、実際それほど変わりないのが実状である。

V-oneSはもともと上位機種のV-oneRを母体に設計されており、マシンのポテンシャルは元々あるので、その性能を引き出せば、最初の頃からは想像もできなかった速さを引き出せる可能性を持っています。マシンの性能を最大限に引き出すまでの、セッティング能力と効果的なオプションの組み込みなどを覚えるには最適なマシンといえます。V-oneSⅢとなり、ついにマシンのレイアウトがRRRと同一になり、2スピードトランスミッションが標準となりました。キット標準でもかなりのスピードが出ます。

組立の前に一般的な工具を揃えれば組立できますが、「プライヤー」「金属製のヤスリ」「ノギス」はできれば用意して組み立てて下さい。

  • 「プライヤー」 → 非常に腕力を要する組立箇所が数カ所あります
  • 「ヤスリ」 → 部品をランナーから切り取ったあとに生じるバリで、組立がうまくいかない部分が数カ所あります
  • 「ノギス」 → ミリ単位の測定を行う場所が数カ所あります

スプールデフの組立

マシンの組立は、V-oneSⅡと同じくデフからですが、フロントのデフがスプールとなりました。よって、組立は単純ですが、ベルトを駆動させるプーリーの固定が瞬間接着剤のみとなっています。プーリーは金属などのオプションに変えても、片側が「ぽろっ」とすぐ落ちますので注意が必要です。基本的には瞬間接着剤でとめるだけになっていますので、念入りに固着させましょう。

デフをとめるビスの締め具合がかなり微妙なので、締め込みすぎて、ネジ穴をなめないように注意する必要があります。微妙な力加減が必要となるので気をつけて下さい。

V-oneSⅢとなりさらにビスの種類が増え、ビスの締め込み具合もそれに応じて難しくなった気がします。キットを作り始めた印象ですが、ビスは主にタッピング皿ビスの8mm、10mm、12mmが主体になります。強度が必要となる場所に応じて2mm程度の微妙な差でビスが指定されますので気をつけてください。

リヤデフの組立

リヤデフの組立ですが、キット標準ではベベルギヤが2個となります。このまま使用しても良いのですが、ベベルギヤは走行しているうちにどんどん消耗してゆきますので、継続して使用してゆくことを考えると、ベベルギヤを4個の仕様にする選択も「あり」です。これは後々の問題ですがベベルを4つに増やすということは、シリコングリスの抵抗も2倍になるということであり、厳密に言うと走りに影響を与えます。とはいえ、よほどレースで上位争いをするほどの腕前になれば気にする必要もありますが、最初はあまり神経質に考える必要はありません。V-oneSⅡ・FW-05Sでは、ベベルギヤを4個仕様にするのが必須のように言われていましたが、個人的には2個でも4個でも走行性能に違いはほとんどないと思います。

今回の作成は、耐久性を考慮して4個仕様にします。4個仕様にするには、ベベルギヤとギヤシャフトというそれぞれオプションパーツを購入する必要があります。(V-oneSⅡの時に買ったのが余ってたので、それを使いましたが、全く同じものなので使用には全く影響ありませんでした。)

キット標準ではシリコンオイル(デフグリス)を封入するようには書いていませんが、これは入れた方が良いと思います。問題は、シリコンのオイルの番手を何番にするかですが、5000番を使用するのがリヤデフならオーソドックスですが、5000番に200番のシリコンオイルを混ぜて、かなり柔らかいデフにしました。せっかくフロントがリジットなので、後ろも固くすると減殺されてしまう気がしたのですが、ここらへんは実際に走らせてみないとなんとも言えないと思います。

組み立てていて、デフケースの形状が変わったことに気づきました。V-oneRRRと同じものと思いますが、V-oneSⅡのデフケースと比べて手に持って、明らかに軽くなったのが分かりました。余計な部分を切り落として軽量化しています。

サーボセイバーの組立

組み立てて思いましたが、取説で293番の部品ですが、253番にはまりこむように下まで押し込む必要があります。ちょっと取説では分かりづらいが気をつけましょう。

また、ここでピロポールを装着しますが、素手でこれをねじ込むのはかなりな腕力が要ります。プライヤーを使ってもいいかもしれません。

サーボセイバー

サーボセイバーの組立(2)

5×8×2.5のプラメタルは同型のベアリング(スクワッド製400円)に交換すると、耐久性および動作の確実性が向上します。ここでは、プラメタルの耐久性をきらって、交換することとします。

サーボセイバー+ベアリング

ステアリングロッドの組立

ここで使用する5.8mmのボールエンドですが、京商の品番1295(ボールエンド5.8)に変更しました。ノーマルでも動作は問題ないです。

ステアリングロッド

フロントサスアームの組立

とにかく小物パーツの向きを間違えないようにしましょう。特にパーツ番号278番は要注意です。それと、サスアーム(24番)は、ランナーからニッパーで切り取って組み立てますが、そのまま組み立てると「バリ」が干渉してサスアーム(下)がなめらかに動きません。(というか、サスアームが可動しません)ここは、必ずバリをヤスリで削り取りましょう。

バルクヘッドを組み立てるとシャシーへの固定となります。シャシーを固定するビス3×12を3×10と間違えないように。それと、280番の部品のR・Lが小さく刻印されていますので、必ず確認してから組みましょう。

フロントサスアーム

ステアリングロッドの組立

ここでもさきほどのボールエンド5.8(品番1295)を使います。今回はそれに加えて、アジャスタブルロッド(品番VZ068)を使いました。同じくノーマルでも問題なく、完成後にフロントタイヤのトー角調整の際、ボールエンドを抜かなくても調整可能になる利点のみです。

ナックルアームの組立

ナックルアームは左右対称ではありません。R・Lのマークを必ず確認して組みましょう。部品番号28番の締め込みは、ピロポールががたつかず、かつ、なめらかに動くのが基本です。

ユニバーサルスィングシャフトを最初から組む場合は、ホイルシャフトは使用しません。GPのフロントにはユニバーサルシャフトを使うのは基本です。ここでホイルシャフト+ドッグボーンで組んだ場合は、次回走行後のメンテの際にでもユニバーサルシャフトに交換しましょう。ユニバーサルシャフトは駆動効率を高める効果がありますが、何よりもGPのフロントシャフトは衝撃の際に抜ける確率が高いので、通常ユニバーサルシャフトで脱落を防止します。

ユニバーサルシャフトの価格は高いのですが、走行時にクラッシュしてドッグボーンをなくして走れなくなるよりも、最初からユニバにしておく方が得策だと思います。

ユニバーサルスイングシャフト

フロントサスアームの組立

ステアリングロッドに、ボールエンド5.8を使う場合は、片方の頭をニッパーで若干切り落とした方が良いかもしれません。サーボセイバーに組み付けた時に、ボールエンド同士が干渉する場合があります。

ダンパーの組立

最初からダンパーが組み立ててありますので、キャップを外してダンパーオイルを入れます。この付属のシリコンオイルですが、 比較的柔らかめのものが入っています。ここだけは最初から、シリコンオイル(350~500番)ぐらいを別に購入して、入れておいた方が、後々シリコンオイルを入れ替える場合に効き具合が調整できます。(ここでは450番を選びました)キット付属のスプリングですが、京商のピュアテン用の 緑(標準)と同程度の硬さです。キットの特性を知るために、このスプリングを最初は使います。

オイルダンパー

ここでは、V-oneダンパー(品番VZ075)を別途2組購入して最初から組み付けましたが、キットノーマルでも全く問題ありません。キット標準ダンパーを使うと、車高調整の際に、スペーサーを利用する手間がかかるのが、V-oneダンパーだとその必要がない。大きくはその程度の違いです。

VONEダンパー シリコンオイル

ダンパーステーの組立

V-oneダンパーを使う場合は、5.8ピロポールの替わりに、3mm×12~15mmビスを使います。(別途購入)

リヤバルクヘッドの組立

リヤバルクヘッドの43・44部品に3×16サラビスをねじ込むのですが、これは相当腕力がないとビスの頭をなめます。六角ビスを用意した方が良いかもしれません。サラビスでここのねじ込みはかなりきついです。

バルクヘッドにベルトテンションを調整するプラパーツを組み込みますが、RのバルクにLのプラパーツを組み込む・・。これでいいのか?と思ったが、テンションを緩める仕組みとしては間違っていないので、R・L逆で組み込みます。(ベルトテンション普通)

【注】バルクヘッド関連のパーツをランナーから切り離した後、必ずバリをヤスリで削り取って下さい。この部分が残っていると、バルクヘッドが完全に結合しません。

リヤアッパーアームのアップライトとのビス止め3×16サラビスは、キャップスクリュービスに換えました。この頻繁に着脱するビスにはキャップスクリュービス以外はつらいと思います。(V-oneR・Sはキャップスクリュービス)

2スピードミッションの組立

このキット作成上、若干難しい部分です。入門用組立キットで2速が標準で装着されるのはおそらく初めてだと思いますので、まず2スピードの仕組みから説明します。この仕組みをおぼろげでも理解すると組立のポイントが分かります。

まず、このキットの動力源であるエンジンが回転し、ピニオンを伝達してスパーギヤに動力が加わり、ミドルシャフトが駆動します。ミドルシャフトは、前後に伸びたベルトによって、前輪と後輪を駆動します。2速はミドルシャフトに装着されています。取説を見ていただくと分かると思いますが、エンジンに装着されるピニオンは2枚あり、スパーも2枚あります。内側が2速で外側が1速です。一見同時に駆動が伝わるように見えますが、2速のスパーは固定されておらず、ピニオンからの駆動の伝導に関わらず、空転する構造となっています。(同時に駆動が伝われば、歯数の少ない2速側のみが駆動する理屈となってしまいます)GPの特性上、EPと違うのが、エンジンはスロットルが開いたからといって、いきなりトップエンドの回転数は生じません。徐々に回転数が増すため、走りはじめはエンジンの回転力はそれほどありません。しかし、エンジンが吹け上がってくると回転が増します。回転が増すと、ピニオンの回転数が上がるのにつれて、ミドルシャフトの回転も上がります。2速側のスパーの内側には、シュー式のクラッチが内蔵されており、一定の回転数を上回ると、このシューを組み合わせているスプリングが縮んで、シューが遠心力により外側に開きます。シューの外側には、2速のスパーがあり、シューの外側が2速スパーの内側に貼りつきます。ここで、今まで空転していた2速のスパーにエンジンからの駆動が伝導されることになり、2速に切り替わります。一方1速は2速に切り替わると同時に、今度は1速側が空転します。1速のスパーはミドルシャフトとワンウェイベアリングで結合されており、2速が駆動し、1速の回転力を上回ると、空転する仕組みになっているのです。という仕組みです。スプリングの伸び縮みでシューの開きが速くなったり、遅くなったします。2速の切り替えタイミングを早くしたい場合は、スプリングを緩めて、スプリングが縮みやすくすればよく、遅くしたい場合は、スプリングを締め込み、縮みづらくすればOKです。

さて、組立に戻りますが、2スピードミッションの組立は、シューの組立が上手くできればほぼ完成したといってもいいでしょう。152番の鉄の部品をシューの中にはさんでから、ビスで止めるようにします。

写真を入れておきますので、この形を目指して下さい。

2スピードミッション

メカプレートの組立

部品の向きだけ注意すればよいですが、非常に横長なメカデッキなため、SANWAのスイッチのコードがバッテリーボックスまで標準では届きませんでした。長さが足りなければ、延長コードを購入しましょう。

【注】オプション燃料タンク品番92050を使用する場合は、この時点で装着する必要があります。

燃料タンク

タッチスターターの場合の注意

取説の順番通りに組んでいくと、次はメカプレートのシャシーへの固定ですが、タッチスターターの場合は、先にエンジンアッセンブリーをシャシーに固定します。
※タッチスターターがエンジンアッセンブリーに固定されていると、エンジンの着脱はメカプレートを外さないと行えません。

タッチスターター

リンケージの組立

もう組立もほぼ終わって、安心しているところですが、このキット一番の難関がここです。一部のサーボは普通に組み立てると、スライドキャブレターがサーボを直撃して、スライドしないことがあります。

加えて、キャブレターを牽引するリンケージですが、ひっぱる方向が、キャブレターが動作する方向とは別の、外側からひっぱる構造になっており、スロットルサーボがスロットルをひっぱっても、キャブレターがスライドする方向とは違う方向にひっぱられ、キャブレターが動かずに、ただ横にひっぱられるだけになることがあります。

また、スロットルサーボのサーボホーンがスライドキャブレターの取り付け位置より高い位置にあるため、スロットルサーボが稼働すると、この取っ手が外れる現象も起きることがあります。

私は、この部分の組立に3~4時間かかりましたが「これがベスト」という位置は発見できませんでした。というよりも、構造にかなり無理があります。個人的には、早く長めのサーボホーンが発売されないかと思いますが・・・。

※EVOおよびカーボンプレートの発売で改善されました

初期型の対策ですが、キャブレターがサーボを直撃する現象が生じた方は、キャブレターの角度を変えるしかありません。(サーボを下げるのはメカプレートがもともと低いため無理)工具を使って、キャブレターを回転させ、若干右上がりにして下さい。

※この部分はあまり動かさないようにしないと、傷つくと修理ができないので頻繁に締めたり、ゆるめたりするのは避けましょう

キャブレターの「無理ひっぱり」の対策ですが、これは実際に稼働させて、キャブに燃料が浸みると若干動きやすくなります。スライドバルブ部分にWD-40などの潤滑剤を最初から吹き付けるのも一案です。

スロットルサーボホーンの高さの問題ですが、キャブの接続する「ボール」部分を上にすると若干位置関係が近くなります。このボールはセットビスで固定さており、回転させることが可能です。取り付け口が外れやすい場合は、この玉を回転させて、ちょっと上になるようにします。

キャブレター

組立その他

完成した車体をV-oneSⅡと比較して、かなりの低重心なのが分かると思います。

パーツがV-oneSⅡと比較して、固くなりました。ビスの締め加減はわかりやすいと思います。固いということでクラッシュしても変形せずに割れそうな気がします。サスアーム・ナックルは消耗品と割り切って、スペアを必ず用意しておく方が無難です。

アップライト、サスアームなど主要部分はV-oneRRRと同一です。この時点では、V-oneSⅢを組み立て ていることすら忘れます。

シャシー概観

クラッチシューがスチール製に変更されています。

クラッチシュー

上がV-oneSⅡ・下がV-oneSⅢ

シャシー比較

V-oneSⅡの後継機種ですが、V-oneSⅡから引き継がれたパーツは、デフギヤ内の小物、燃料タンク程度です。

シャシー比較2

低く、幅広なレイアウト。

完成図

平成17年5月7日

マイナートラブル対策を講じました。

1)ステアリングポストの上下ネジにネジロック剤を塗りました。ここは振動で何もしないと勝手に脱落する可能性があります。また、上のネジを締めすぎると、下のネジが動いてしまい結果、ステアリングポストがぐらぐらになります。防止の意味合いで、ネジロック剤で固定が良いと思います。

2)ステアリングサーボのコードですが、路面に接触する可能性が非常に高いです。これといった防止策はないのですが、受信機ボックスからしっかりひっぱった上で、コードはビニールコードを巻いておくことにしました。

3)エンジン固定です。これについては、スパーなめの悪い評判が若干あることより何らかの対策が必要と思いますが、こちらもベストとはいえませんが、皿ビスで締めつけて、シャシーに型をつけることにて様子を見ることにします。

※現在強化型のスパーおよび、強化型のミドルシャフトが発売されています

スロットルリンケージですが、スロットルサーボの固定ネジをグロメットつぶれるぐらいまで締め込んでみると、キャブレターとのクリアランスが生じました。これで、キャブレターを少し右下がりにすることができ、ほとんどストレスなく動作することが可能となりました。とにかく、組み上がりはキャブレターのスライド部分に燃料が浸みていないので「渋い」ですが、一旦ここに燃料が浸みるとスムースに動作するようです。 (最初に潤滑油を注しておいた方が無難ですね・・)

かなり悩んだリンケージ問題ですが、これで解決です。

※実走編は現在編集中です